センター長 安田 年博
現在、大学入学者選抜では、思考力・判断力・表現力の評価が一層重視された「大学入学共通テスト」が導入され、明確なアドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)に基づく「学力の3要素」を多面的・総合的に評価するための大学入学者選抜改革が進められています。これからの大学入学者選抜は、一人ひとりの多様な能力や資質、才能等に応じて大学の教育を受ける機会が開かれるよう、一人ひとりが身に着けた多様な力を多様な方法で「公平」に評価することが求められています(平成31年度「大学入学者選抜の公平確保等に向けた方策について」より一部抜粋)。福井大学では、このような大学入学者選抜改革に対応すべく、第4期中期目標・計画において、「多様な背景を有する学生の一層の獲得を目指し、多面的・総合的に評価する入学者選抜の基盤となる、新学習指導要領で重視される「探究活動」の実践による主体的・対話的で深い学びを育む高大接続教育(高等学校における探究活動の支援、大学における探究プロジェクトの開催など)を拡大する」を中期目標としてあげ、その達成に向けて全学をあげて取り組んでおります。
福井大学において、このような大学入学者選抜改革の司令塔と期待されているのが福井大学アドミッションセンターです。 アドミッションセンターは、2002年4月1日に設置され、2003年度の工学部AO入試導入など、各学部における多様な入試が適切に実施されるよう、支援してきました。現在、アドミッションセンターでは、大学が、そして各学部が定めているアドミッション・ポリシーに沿った入学者の受入を適切に実現すべく、入学試験の企画立案や入学者選抜方法の研究開発を行うとともに、大学進学希望者に福井大学の教育研究について広く知っていただくための広報活動や高大連携の実践活動を行っています。さらに、新たな高大連携のあり方およびそこでの学習成果に基づく多様な能力を多面的・総合的に評価する手法の研究開発も進めています。また、入学後の学生の成長を追跡・調査することで得られた知見等に基づき、カリキュラムや入試方法等の改善に向けて提言や活動を行うことも大きな役割の一つとなっています。
2021年度入試からは、大学入試センター試験が大学入学共通テストに移行し、推薦入試が「学校推薦型選抜」、AO入試が「総合型選抜」に変更となりました。また、高等学校では2022年4月の入学生から新しい学習指導要領が実施されており、2025年度大学入学共通テストでは新たな教科・科目の導入も決まっています。こうした新たな動きの中で、アドミッションセンターの役割にも変化が求められ、高大接続に係る事業の推進や入試改革に主体的に取り組む体制のさらなる整備・強化が必要となっています。そこで、アドミッションセンターでは、各学部教員、入試担当職員と協働して、さらに学外の高等学校教育に携わる方々との連携も進めながら大学入学者選抜の改革に取り組んで参ります。 つきましては、アドミッションセンターの活動や今後のあり方について忌憚のないご意見を期待すると同時に、諸活動につき、今後ますますのご理解とご支援を賜ることができれば幸甚です。