2019年3月4日
アドミッションセンターでは、平成31年1月21日から28日までの8日間、JSTの「さくらサイエンスプラン」の支援を受け、タイ・プリンセス・チュラポーン科学高等学校パトゥムターニー校から生徒10名、引率教員2名を招へいし、福井大学における日本のものづくり技術に関する体験型研修を行いました!
*プロジェクトの様子*
【1日目】1月21日(月)
中部国際空港に到着後、貸切バスで福井に到着しました。
【2日目】1月22日(火)
オリエンテーションを行い、中田副学長を表敬訪問しました。そして、午後には福井大学における最先端のものづくり技術の一つとしてトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)の実験を行いました。トライボロジーの実験に対する疑問等を先生・学生に積極的に質問し、実験への理解を深めました。
【3日目】1月23日(水)
終日、超臨界技術による繊維染色の実験を行いました。午前に超臨界技術についての講義を行い、午後にはこの技術による繊維の染色を行いました。水を使わないで繊維を染色することは初めてで、そしてこの技術による染色がタイに実用化し始めていることを知り興味・関心を示していました。
【4日目】1月24日(木)
タイに進出している企業訪問を行いました。午前には日華化学(株)、午後はセーレン(株)を訪問し、日本のものづくり技術がどのように製品化され、実践的な知識を修得する機会を得ました。日本のものづくり技術がタイのものづくり技術にいかに貢献しているかを理解しました。特に、日華化学(株)のイノベーションセンターを訪問した時には、先進技術産業は海外に頼っているというタイが抱える課題について、タイが目指しているイノベーションの在り方と絡めながら考えるきっかけになったことと思います。また夕方には大学に戻り「福井大学 留学生との交歓会」に参加して福井大学の留学生、特にタイからの留学生と交歓し、福井大学への留学に関心を高めました。
【5日目】1月25日(金)
午前に半導体技術(ダイオードからLED、太陽電池)の講義とダイオード、青色LEDや白色LEDの実験を行い、窒化物半導体について理解を深めました。午後には、声導模型を使った音声情報処理の実験を行いました。この実験では日本の高校生ではまだ学習していない内容を既に修得しており、担当した教員や学生は招へい者の優秀さに驚きを示していました。
【6日目】1月26日(土)
仁愛女子高校を訪問し、互いの科学技術に関してオーラル形式およびポスター形式で研究発表会を行いました。ハイレベルな招へい者との交流により日本の高校生にとって良い刺激を受けた様子でした。その後、茶室にて抹茶を体験し、日本の伝統文化に触れました。タイの民族衣装を日本の高校生に着てもらいました。このように科学技術を通して交流を図り、互いの友情を育みました。そして午後には福井を代表する博物館「恐竜博物館」を訪問しました。
【7日目】1月27日(日)
福井を代表する文化施設:越前和紙の里を訪問し紙すきを体験し、福井の文化に触れました。午後には修了式を行いました。
【8日目】1月28日(月)
無事帰国の途につきました。
招へい者の中には、是非、福井大学に留学したいと希望を持った生徒が現れました。これまでタイの高校生が日本に留学したいという希望を持っても具体的にどのようなアクションをしたら良いか分からなかったようですが、本プランは優秀な生徒にとって貴重な機会を与えたことが大きな成果と考えます。
科学技術は、これからのアジア地域の未来を切り拓くものであり、未来を担うアジア地域と日本の青少年が科学技術の分野で交流を深めることは、これからのアジア地域と日本の未来にとって、極めて重要なことです。
「日本・アジア青少年サイエンス交流事業」は、産学官の緊密な連携により、優秀なアジア地域の青少年が日本を短期に訪問し、未来を担うアジア地域と日本の青少年が科学技術の分野で交流を深めることを目指します。そしてアジア地域の青少年の日本の最先端の科学技術への関心を高め、日本の大学・研究機関や企業が必要とする海外からの優秀な人材の育成を進め、もってアジア地域と日本の科学技術の発展に貢献することを目的としています。