2020年7月27日
リモートによる高大連携 入試研究会の様子
アドミッションセンターでは、2020年7月4日(土曜日)にリモートによる高大連携 入試研究会を開催しました。参加者は県内高校教員17名、大学教員5名でした。
まず、「はじめに」として大久保教授から高大連携 入試研究会の開催目的に関して、「高校の先生方から、高校での数学や物理の教育が大学の工学部の位置づけとしてなかなか見えないとか、高校における普段の数学や物理の授業において、どのような評価が生徒の意欲につながるか等の意見がありました。本研究会の目的は、上記の問題点を解決するため、高校教員と大学教員が同じテーブルで入試について議論を行い、高校教育と大学教育のスムーズな接続を図ることです。」との説明がありました。
次に、古閑准教授から「大学入試問題の背景」に関して、工学部令和2年度前期日程入試問題(数学)の説明がありました。同入試の数学問題1の出題背景について、ニュートン法や非線形差分方程式に基づいて解説しました。また、具体的に同入試の数学問題3の出題背景について、ベジエ曲線の図を示しながら解説しました。
そして、最後に高木教授から「理学と工学と高校物理」と題して、説明がありました。まず、理学と工学の違いを説明し、高校の物理が実社会に活用されていることを制御型振り子車両やコンデンサーを用いた計算機メモリーを用いて解説しました。また、工学部で日々教えていて感じる問題点に関しても説明がありました。
参加者の感想・意見(アンケート調査から一部抜粋)を下記に示します。
・進路指導をしていると教科の本質を見失うことがあります。そのため、大学の教授の方々がどのような意図で、どのような生徒を求めているか知りたいと常々感じていました。そのため、このような機会は大変良かったと感じています。
・大学入試問題の意図をお聞きすることができ、大学で学ぶ内容に結びつくようにという思いが感じられ、良かったと思います。
・大学入試の問題の背景となっている事柄や、大学での生徒の問題点など貴重なご意見を伺うことができ、感謝しております。
・数学出題の背景を知ることができ、探究的な学習課題の一つとして、蓄積を増やすことができました。
・入試問題作成の背景が分かり参考になりました。ベジエ曲線をテーマに用いた問題を作成され、見識の深さ、数学力の高さを感じ、さすが大学の先生だなというのが本音です。
・高校の授業で扱う理論がどのように工学に生かされているのか、興味深い内容でした。
・今回この研究会が発足したことは大変ありがたく、入試で求めるべき学力について、高大で認識を一致させていくことにより高校でもより良い指導ができると考えています。建設的な意見が交換できる会になっていけば幸いです。
・新しい発見などもあり、楽しい会でした。次回以降を楽しみにしています。これまでZoom 会議に参加したことが有りますが、チャット機能などで気付いた時に自由に質問できる会も多くありました。その機能などを検討頂けると幸いです。